~その地の精神風土を感じる~
「風土が生きる郷土食」
choko&etsuko☆sun
ふたりの兼ねてからの想いが叶い
伝統郷土食“分かち合い”第一弾!開催しました
わかち合う伝統郷土食
記念すべき第一弾は
2023年夏にふたりが旅した
九州・宮崎椎葉村に伝わる「菜豆腐」
日本三大秘境といわれ
熊本県との県境に位置する椎葉村(しいばそん)
東京23区とほぼ同じくらいの面積を持ち
特徴ある10の地区があり
村内で完全自給が可能といわれ
お山と川と畑の恵みを生かした暮らしが残る村
九州の北海道といわれるほど
冬の寒さが厳しい椎葉村だからこそ発展した
大自然の恵みを生かした郷土食保存食
椎葉村の郷土食に生きる精神とは?
こちらは椎葉村のお豆腐屋さんの「菜豆腐」
(WS 2週間前に椎葉村“民宿焼畑”に滞在したときの夕食の写真です)
旬のお野菜を入れ色鮮やかに仕上げてあります
そのまま焼けるほど硬いのが特徴
囲炉裏であぶり田楽にしていただけます
“民宿焼畑”の畑の平家かぶ
「平家落人伝説」の残る椎葉村在来種
やせた土地でも育つ逞しい種
もともと「菜豆腐」は
貴重だった大豆の節約と豆腐の「かさ増し」のため
茹でた平家かぶをざく切りにして入れたことからはじまりました
お豆腐は山の深い椎葉村では貴重なタンパク源
昔はイノシシの肉と同じ価値があったそう
冠婚葬祭やお祭りのたびに各家庭で手作りされていました
節約の知恵としてはじまった「菜豆腐」
今ではおもてなしの心で季節ごとの彩りを添えて
“民宿焼畑”のミチヨさんがみせてくださった
使い込まれた菜豆腐の型
この立派な型で「ひきわれ」と呼ばれるくらい
お箸では切れず手でひきわるようなお豆腐ができる
その椎葉村の代表的な郷土食「菜豆腐」を
「何度も気軽にご家庭でつくっていただきたいから」と
choko sunが家庭で手軽にできるよう完全アレンジ
豆乳などを使いみなさんですり鉢でたのしく配合♪
どのご家庭にもあるフライパンをつかって
菜の花・人参・柚子をあしらった
春の彩り「菜豆腐」出来上がり♪
輪になりたのしくテシゴトその後は
「彼の地を感じるソラとテシゴトごはん」
椎葉村伝統郷土食「焼畑の蕎麦粉deわくど汁」
椎葉村でいまでも伝統的な焼畑農法を続けられている
“民宿焼畑”の希少な蕎麦粉を
お水で溶いてお団子にして
熱々の“民宿焼畑”産干し椎茸のお出汁に落とす
浮いてきた様子がわくど(蛙)に似ていることから名付けられたお汁
みなさんに“わくど”を産み出していただきました(笑)
「焼畑でつくられた蕎麦は風味が格別」だそうです
お味はいかがでしたでしょうか
隣の土鍋は
2週間前の“民宿焼畑”に滞在時に
「稗つき(稗の精白行程)」した稗(ひえ)で「稗がゆ」
(そのときの様子はコチラのブログから)
焼畑の稗とさつまいもだけでつくったミキ
焼畑の稗だけでお米を使わずに甘酒
甘酒には“民宿焼畑”でお土産にいただいた
熊本の糀屋さんの糀をつかいました
彼の地の精神の“醸し”を味わう
彼の地の“太陽の味”乾物も味わいます
茹でたもしくは丸ごと焼いたタケノコを
一枚一枚はがし天日で干した
椎葉村産「干しタケノコ」
椎葉村産天日干し「ぜんまい」
南阿蘇産地大豆「みさお大豆」
etsuko☆sunの彼の地を感じるソラとテシゴトごはん
~宮崎県椎葉村編~
どんな食材にもストーリーがあって
いつもそのことに耳を澄ませながら台所に立っています
椎葉村の食材の生命力は
天日干しや保存発酵することで勢いを増していて
遠く離れた東京でもひと口でそれを感じとることが出来る
そして
その瞬間わたし達は
彼の地の風土がつくりだしている循環の一部に
先祖代々繋がれてきた焼畑の稗と蕎麦の種には
原初の力がみなぎっていて
「これがホンモノだよ」と
味わうわたし達の生命力の感知能力を変えてしまう
原初の味に出逢うことですべての基準が変わってゆく
今回2週間前に椎葉村“民宿焼畑”に滞在してきたということもあり
彼の地がお山ごと張り切っているのを感じながら(笑)
台所で手をうごかしました
椎葉村をご紹介したのですから
椎葉村に行き感じたい!と思っていただけたら嬉しいですが
ご自身の故郷やよく行く土地
普段暮らしている街にも
食に限らず
風土が精神としてあらわれていることが必ずあって
何もかもが便利になった現代において
その精神に意味を見出せなくなっていることもあるかもしれないけれど
昔からの大事にされてきた生活の知恵の
背景や意味に思いを馳せると
現代にも応用できる術がみえてくる
全く同じことは出来ないとしても
未来に別なカタチで繋いでいける
それはわたしが台所で信じていること
昔から大事にされてきたことに耳を傾け手をうごかす
彼の地とつながる時間をご一緒してくださったみなさま
ありがとうございました